ヤマハ株式会社は、快適な無線通信のための機能を強化した無線LANアクセスポイント(以下、無線AP)の新モデルとして、WiFi 6対応のデュアルバンドモデル『WLX322』と、WiFi 6E対応のトライバンドモデル『WLX323』を2024年2月に発売しました。
気になるポイント1.
5GHzの無線APの性能を損なわずに航空・気象レーダーによる60秒間の通信断を回避する「Fast DFS v2」に対応
一般的な無線APは、5GHz帯で運用している際に航空・気象レーダー波を検出すると、DFS機能により、最大60秒間通信が切断されます。
Fast DFS 機能では、チャネルスキャンを常に行うことでレーター波に干渉しないチャネルを把握し、チャネルを変更。すぐに切り替わり通信の切断を最小限にされているそうです。
気になるポイント2.
WiFi6に対応(『WLX323』のみ)
ヤマハサイトの情報からは離れますが、WiFi5とWiFi6の違いとして、WiFi 6の特長的な技術である「OFDMA(直交周波数分割多元接続)」があります。インターネットへの常時接続が日常になって、ノートパソコンやスマートフォンなどモバイル端末が常にWiFi(無線LAN)で使われているなか、1台の無線LANアクセスポイントに複数の端末が同時接続したときの、通知効率が、WiFi 6の「OFDMA(直交周波数分割多元接続)」により通信帯域の分割によって大きく向上しています。
情報提供先:三井情報株式会社 WiFi 6 の OFDMAとは
WiFi(無線LAN)にはケーブルがなく、端末とアクセスポイントで同じ周波数を利用してデータを伝送するため、送信と受信を同時に行うことが出来ません。
よく、1台の無線LANアクセスポイントに最大100台接続できますが、推奨はその半分程度にすることを勧められたことはありませんでしょうか? 接続台数と同時通信数は同じではないのです。「同時に接続している」のであって「同時に通信している」わけではありません。
この仕組みは最近のWiFi 5でも同じで、端末が増えれば増えるほど端末同士で分配しあう仕組みなのです。
データ通信では、通信が途切れてもキャッシュにデータを溜めていることから、インターネットアクセスや動画も支障が出づらいのですが、音声通話では接続台数ではなく、同時通信数が大事です。
例)スマートフォン内線をオフィスの無線LANで利用される際、着信があると、一斉に着信信号(呼出しリング音)を飛ばすのですが、そのうち、1台のスマートフォンが受電すると「通信している状態」の次の瞬間、呼出し音が鳴っていた他のスマートフォンに向けて切断信号(呼出しリング音を止める信号)が飛びます。 ここで「待ちます」の状態のスマートフォンは呼出しリング音が鳴りやまない。という不具合の原因の1つかもしれません。
無線LANアクセスポイントがWiFi 6対応になり、OFDMA(キャリア無線の4G(LTE)でも実装されている技術です)がより多く採用されるなど、無線LANアクセスポイントでの音声通話アプリ内線が快適な利用環境になる時期が近づいてきたことを期待したい次第です。